メルボルンの空港から小型の飛行機に乗り換えて、少し激しめの揺れを終えて到着したのはこれまた小さなホバートの空港。ここから私の初めての長期の海外生活が始まる。
一斉に搭乗していた乗客が迎えの人たちに出迎えられたり、足早と自分の家路に急ぐ。私はというと右も左も言葉も分からないまま、約束の迎えの人を待っていたが、今のようにスマホもネット環境も普及していない時代。見事に迷子になってしまった。見つけるべき人も分からない迷子は厄介である。最後の一人に取り残されるまで私は話しかけられるまで待っていた。相手の人もアジア人が空港に一人になってようやく話しかけてくれた。
送迎の人 「&’$)’(# ??」
私「 ?? 」
送迎の人 「’#&’%0#” ??」
私(うーん 全然分からないけど、まぁいいか。)「 Yes !!」
送迎の人 「 カモン!」
最後のカモンは私がそうに言ったように聞こえただけであるが、そのまま彼が運転する車に乗り込み
どこに向かうかも分からないまま走り出した。知らない国、知らない人、知らない車、通じない言葉、分からない行き先。冷静に今にして思えば何とも危険な行為かもしれないが、私は異国の空気、風景、大自然を感じながら、送迎のおっちゃんの言うことを何一つ理解しないまま、これから始まる新生活と出会いに胸を弾ませていた。
自信と期待や楽しみがあると、不安や危険という感情に行動を止められない。きっと冒険や旅というのはそこの部分が強いのだろう。しかし用心は必要である。この時は私は何一つ用心はしていなかった。
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