異文化、雰囲気、生活習慣、アート、肌で感じる聖域
ザ・ガンに揺られること約20時間1550kmの道のり。赤土の広大な景色を見ながら一晩は私には少しだけ席が狭いぐらいで全く苦痛ではなく、快適な列車の旅だった。
大きなザックを背負い、駅から降りまずはこの新しい街で荷物を下ろせる場所を探す。宿を見つけ、荷物を下ろし、少し街を散策しながら、ここからどうやってウルルのある場所まで行くかを考えていた。
困った時はどこの街でもインフォメーションセンターを探すので、歩いているとウルル・カタジュタツアーなる大きなポスターが現地ツアー会社のお店に貼られているではないか。無知な私はここから自分で車を借りて、地図を片手に砂漠を走り抜け、ウルルを目指すインディジョーンズのようなハードボイルドな男への憧れはすぐに頭の片隅の隅まで消え失せ、すぐにクーラーの涼しいお店の中に入って話を聞いて、翌日出発の2泊3日のキャンプツアーに参加を決めていた。
バックパッカーだって現地ツアーに参加する
ザック一つで苦難の多い、放浪の旅人だなんて格好つける意味は私には全くないので、便利で安全なツアーなどが現地であれば悩むまもなく参加決定である!明日にはウルルに行けるという方法が決まり、少し安心してアリススプリングスの街を歩いていると、私は生まれて初めてオーストラリアの原住民アボリジニーの方々に会うことができた。街には沢山の原住民の方々の文化やアート、生活習慣や、歴史を学べるカルチャーセンターがあり歴史好きの私は勿論そこに行こうとしていたわけだが、その途中の道端で普通に出会えたのである。当たり前のことだが彼等はこの土地で普通に暮らしているわけなので、他所者は私の方である。ただタスマニア島から始まり、アデレードでも、まだ一度も会えていなかった彼等に出会えて私はとてもドキドキしていた。
勿論はるか昔からこの土地に住み、歴史を歩み、暮らしを営んできたアボリジニーを前に私はその独特の雰囲気、空気感、眼差しに圧倒され何一つ言葉はかけられなかったわけだが。その土地に行き、その土地の方々に直接会えることはとても嬉しいことであった。その後で、アボリジニーの歴史、文化、生活や、言語などなどを直接現地で学び、話を聞き、知ることが出来た。そうすると見えていた現代の時間や景色が変わることはないのだけれど、見える景色の幅や色が少し広がって見えた気がした。
コメント